著者⇒ 町田康
出版社⇒ 文藝春秋
分類⇒ 文学(私小説)
感想⇒ 本書の著者はロック・ミュージシャンで詩人でもあり小説家でもあるという多芸多才な才能の持ち主であり、この作品は芥川賞を受賞した作品ですが、あまりに才能が先走っているのか、読んだ私があまりに鈍才すぎるのか、話の内容としては支離滅裂で、何だか取りとめのない、訳のわからない内容でした。正直言って、芥川賞受賞作という事には首を傾げてしまいました。
ただ、文体はハチャメチャでも、文章のごろ合わせや滑稽さが抜群で面白く、内容の支離滅裂なところが却って新鮮でもあり革新的でもあって、そこが、伝統的・保守的な文学の常識を覆すという新しい試みとして評価されたのではないかと思います。
従来の枠にはまった文芸作品に飽き足らなくなった時に読めば、確かに面白い作品だと言えます。
きれぎれ