2015年8月17日月曜日

幻世の祈り   -家族狩り 第一部-

書名⇒ 幻世の祈り   -家族狩り 第一部-

著者⇒ 天童荒太

出版社⇒ 新潮社

分類⇒ 文学(社会小説)

感想⇒ 本書はエンターテイメントの形をとっていますが、近年ますます社会問題化している家庭内の問題、少年犯罪をテーマとして取り上げ、問題提起した作品です。
それだけに、現代社会のあり方について考えさせられる内容でした。
テーマとして見るなら、本書はまだシリーズの第1作であるため、物語の中で問題提起している段階ですが、著者の理念なり思想なりがその隙のない研ぎ澄まされたような文章表現と共に、読む側に訴えかけられており、その緊迫した思いが直に伝わってくる作品でした。
そして多様な登場人物たちがそれぞれに織りなす人間模様が、重層的に深みのある物語を構築していて、それがエンターテイメントとしての面白さを醸し出していました。







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