書名⇒ 遭難者の夢 -家族狩り 第二部-
著者⇒ 天童荒太
出版社⇒ 新潮社
分類⇒ 文学(社会小説)
感想⇒ 随分ブログを休んでしまいましたが、久しぶりに読書感想を綴ってみたいと思います。
今回は以前本ブログで感想を書いたことのある『幻世の祈り』の続編になります。
本書では高校教師・巣藤浚介、刑事の馬見原、児童相談センター職員・氷崎游子それぞれが遭遇する事件と人間模様が描かれていますが、これら物語の登場人物たちは、微力ではあってもそれぞれに社会の問題を解決するために懸命に努力しているんですが、しかしその努力が社会に反映されていないというもどかしさを読んでいて感じました。
それはこの物語の中だけの話ではなく、現実の社会もまた同じように感じられるからです。
世の中を良くしようと努力している人は少なからずいると思いますが、それでも犯罪は減ることはなく、凶悪事件も頻発している現実があります。
そういう現実を写したものが本書だと言えるわけですが、重いテーマのため読んでいて何だかやるせない気分にもなってしまいます。
ただ、本書は社会問題をテーマにしていますが、サスペンス小説としての面白さもあり、私の場合、それがこの物語を読み進められる理由となっています。
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