著者⇒ 池澤夏樹
出版社⇒ 中央公論新社
分類⇒ 文学(家族小説)
感想⇒ 家族のそれぞれが自分探しをするという物語であり、
言うなれば家族の破滅と再生の物語とも言えます。
題材としては家族・家庭の危機という平穏ならざるテーマを扱っていますが、
物語は淡々と進んでおり、ストーリー展開としてはたいした起伏のない物足りない印象を持ちました。
また、本書ではレイキや精神世界とか、ヨーロッパのコミュニティ生活やエコなどの環境問題とか、恋愛、不倫など いろいろなものが盛り込まれていますが、しかしそれが却ってテーマが定まっていないようにも感じました。
そして、物語としては平坦過ぎてあまり心に響いてこなかったのも残念な点でした。
あと、本書では章によってそれぞれの登場人物の視点によって描かれていて、
そういう構成が新鮮な感じを受けましたが、
ただ、誰の視点で描かれた文章なのかよく分からなくなる部分もあって、
それが読んでいて少し混乱してしまうところでもありましたね。
![]() 光の指で触れよ |
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