2014年3月6日木曜日

考える日々Ⅱ

書名⇒ 考える日々Ⅱ

著者⇒ 池田晶子

出版社⇒ 毎日新聞社

分類⇒ 哲学

感想⇒ 身近な事から社会問題まで哲学的に考察している内容が面白く、共感しながら読んでました。
社会一般や世間で人気のあるものや支持されているもの、あるいは大きな勢力となっているものに安易に迎合 しないで、自身のスタンスを保っている点が共感できるところです。
例えば、世間にはスポーツ好きは多いようで、「スポーツをしない者やスポーツに関心のない者は変人だ」というような風潮になりがちですが、そういう、大きな勢力になびかない者を見下す風潮に対して辛辣に批判をしている点に共感しました。
また、集団で力を誇示する団体についても、著者は「雑魚(ざこ)は群れる」と批判しています。
数の力 で世の中にのさばる集団に対して、孤高な立場を堅持し、それに誇りを持っている著者に共感しました。



考える日々 2 / 池田晶子  〔単行本〕





  

2014年2月19日水曜日

あんじゅう 三島屋変調百物語事続

書名⇒ あんじゅう 三島屋変調百物語事続

著者⇒ 宮部みゆき

出版社⇒ 中央公論新社

分類⇒ 文学(時代小説)


感想⇒ 変わった趣向の内容で、物語の中に語りの部分の別のストーリーが入るという入れ子の構造になっていて、こういう構造の小説は村上春樹の小説によく見受けられます。
こういう構造の小説は内容が複雑になりストーリーの面白さも増しますが、ストーリーの一貫性が失われやすいという欠点もあるものです。
ただ、この小説は人の心の温かさが伝わってくるほのぼのとしたところや、江戸時代の風情もよく伝わってくるところが心に残る作品でした。


あんじゅう 三島屋変調百物語事続/宮部みゆき

あんじゅう 三島屋変調百物語事続/宮部みゆき




2014年1月23日木曜日

第2図書係補佐

書名⇒ 第2図書係補佐

著者⇒ 又吉直樹

出版社⇒ 幻冬舎

分類⇒ 文学(エッセイ

感想⇒ 本書はお笑いコンビ「ピース」の片割れが書いた書評エッセイ集です。お笑い芸人の中では光浦靖子さんと共に読書家として知られる著者ですが、読書家だけあって文章表現もうまいなと思えます。
ただ、書評エッセイといっても大部分は読んだ本についてではなく、自身の体験を綴った内容が主で、書評は付け足しという感じもしますが、自身について語った部分が面白く、それはそれで楽しめる内容になっています。
それにしても、お笑い芸人にしては(と言っては失礼ですが)、純文学を中心に古典から現代文学まで深く読み込んでいる著者には感心しました。テレビでお笑いの場面を見たことがないのでその芸風が面白いのかどうか判りませんが、大阪出身者にしては厚かましいところもなく控えめで私は好ましい人物だと思ってましたが(人によっては気持ち悪いキャラクターだと言う人もいるようですが)、本書を読んで更に好ましい人物だと思うようになりました。


第2図書係補佐/又吉直樹

第2図書係補佐/又吉直樹




2013年11月27日水曜日

優しいおとな

書名⇒ 優しいおとな

著者⇒ 桐野夏生

出版社⇒ 中央公論新社

分類⇒ 文学(近未来小説

感想⇒人間の心の暗黒面を描いてきた著者が珍しく子供向けの作品を書いたのが本作です。
 近未来の渋谷に生きる孤児のイオンが、さまざまな人間や事件と関わってゆくうちに、人の愛、両親の愛というものを理解してゆくという物語なのですが、少年イオンは1人で路上生活をする子供であったため人の愛というものを信じてなかったのが、モガミ達の愛を、最後のところで理解し受け入れてゆく場面は感動的でしたし、嫌われてもなおイオンに愛を注ぐモガミにも感動しました。読後に救われた気持ちになる1冊です。

 優しいおとな/桐野夏生

優しいおとな/桐野夏生




2013年11月23日土曜日

置かれた場所で咲きなさい

書名⇒ 置かれた場所で咲きなさい

著者⇒ 渡辺和子

出版社⇒  幻冬舎

分類⇒ 文学(エッセイ

感想⇒ この本は去年ベストセラーになり話題になっていましたね。カトリックの聖職者として生きる著者の清心さが伝わってくる内容でした。
宗教的な本の中には高邁過ぎてなじめないものも多いのですが、本書は上から高説を垂れるのではなく、私たちの目線でわかりやすい言葉で書かれてあり、共感するところが多かったですね。
私はキリスト教の信者ではないですが、宗教性は抜きにして心にすんなり入ってくる内容でした。 


置かれた場所で咲きなさい/渡辺和子

置かれた場所で咲きなさい/渡辺和子



2013年10月21日月曜日

前巷説百物語

書名⇒ 前巷説百物語

著者⇒ 京極夏彦


出版社⇒  中央公論新社

分類⇒ 文学(時代小説)

感想⇒ 『巷説百物語』の後に出版されてますが、内容からすると、『巷説百物語』よりも前の物語という設定になっているようです。中編のそれぞれの題名には妖怪の名前がつけられてますが、妖怪が出てくる話かと思って読むと当てが外れると思います。しかし、妖怪の話ではないですが、妖怪変化のように見せかけたからくりを使った話が面白いですね。これも江戸の風情が伝わってくる物語で、独特の雰囲気が味わえました。

 前巷説百物語

前巷説百物語