書名⇒ 優しいおとな
著者⇒ 桐野夏生
出版社⇒ 中央公論新社
分類⇒ 文学(近未来小説)
感想⇒人間の心の暗黒面を描いてきた著者が珍しく子供向けの作品を書いたのが本作です。
近未来の渋谷に生きる孤児のイオンが、さまざまな人間や事件と関わってゆくうちに、人の愛、両親の愛というものを理解してゆくという物語なのですが、少年イオンは1人で路上生活をする子供であったため人の愛というものを信じてなかったのが、モガミ達の愛を、最後のところで理解し受け入れてゆく場面は感動的でしたし、嫌われてもなおイオンに愛を注ぐモガミにも感動しました。読後に救われた気持ちになる1冊です。

優しいおとな/桐野夏生
書名⇒ 置かれた場所で咲きなさい
著者⇒ 渡辺和子
出版社⇒ 幻冬舎
分類⇒ 文学(エッセイ)
感想⇒ この本は去年ベストセラーになり話題になっていましたね。カトリックの聖職者として生きる著者の清心さが伝わってくる内容でした。
宗教的な本の中には高邁過ぎてなじめないものも多いのですが、本書は上から高説を垂れるのではなく、私たちの目線でわかりやすい言葉で書かれてあり、共感するところが多かったですね。
私はキリスト教の信者ではないですが、宗教性は抜きにして心にすんなり入ってくる内容でした。

置かれた場所で咲きなさい/渡辺和子
書名⇒ 前巷説百物語
著者⇒ 京極夏彦
出版社⇒ 中央公論新社
分類⇒ 文学(時代小説)
感想⇒ 『巷説百物語』の後に出版されてますが、内容からすると、『巷説百物語』よりも前の物語という設定になっているようです。中編のそれぞれの題名には妖怪の名前がつけられてますが、妖怪が出てくる話かと思って読むと当てが外れると思います。しかし、妖怪の話ではないですが、妖怪変化のように見せかけたからくりを使った話が面白いですね。これも江戸の風情が伝わってくる物語で、独特の雰囲気が味わえました。

前巷説百物語