書名⇒ 空より高く
著者⇒ 重松清
出版社⇒ 中央公論新社
分類⇒ 文学(青春小説)
感想⇒ 本書の内容は昔流行ったテレビの青春ドラマを彷彿とさせる青春小説で、いわゆるクサイ感動ものという感じがする作品ではありますが、著者のそのストーリー展開のうまさと軽やかな文章の運びに唸らされる面白さでした。
著者の文体は濃密さや研ぎ澄まされた感じではなく、至って軽いノリの文章なのですが、平板ではなく、いわばコロコロと転がるボールが意表外のところに転がってゆくような、そんな読者の心の裏をかくようなリズムと動きを持った文章であり、しかもユーモアにあふれていて、読んでいて実に楽しい小説でした。
別の言い方をすれば飽きの来ない文章であり、この文章表現はこの著者にしか書けないと思わせる個性を感じました。
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